2024年2月29日木曜日

北川ひかる、先発抜擢で先制点の起点に | ゲキサカ

「グラウンドに立ったら楽しくなっちゃった」左サイドで攻守に躍動した北川ひかる、先発抜擢で先制点の起点に | ゲキサカ
















「グラウンドに立ったら楽しくなっちゃった」左サイドで攻守に躍動した北川ひかる、先発抜擢で先制点の起点に

[2.28 五輪アジア最終予選(女子)第2戦 日本 2-1 北朝鮮 国立]

 抜擢に応えた。北朝鮮との第1戦を0-0で終えた日本女子代表(なでしこジャパン)はシステムを4-3-3から3-4-3に変更するとともに、左シャドーにMF上野真実、左ウイングバックにDF北川ひかる(INAC神戸レオネッサ)を先発起用。その北川のFKから均衡を破る貴重な先制点が生まれた。

 前半26分、ゴールまで距離のある位置からのFKを北川が左足で蹴り込むと、DF熊谷紗希が競ったボールを上野が頭で折り返し、FW田中美南がヘディングシュート。GKの手をかすめてクロスバーに跳ね返ったボールをDF高橋はなが左足で押し込んだ。

「ファーに上げて(熊谷)紗希さんが折り返す形というのは狙っていたし、今日はFKもいいところに蹴れていた」。そう胸を張った北川は流れの中でも左サイドで攻守に躍動。積極的な攻撃参加や正確な左足のキックはもちろん、守備でも1対1で粘り強く対応した。

 MF宮澤ひなた、MF遠藤純という左サイドの主力をケガで欠き、4-3-3で臨んだ第1戦は左サイドがなかなか機能しなかった。「攻撃で縦パスを入れたり、自分らしくプレーしたいと思っていた。自分の役割は攻撃の活性化。自信を持ってプレーできた」。先発起用を告げられた前日から緊張は感じていたというが、「当日、国立に着くまでは緊張していたけど、グラウンドに立ったら楽しくなっちゃった」と微笑んだ。

「緊張よりみんなとサッカーができて楽しくて、やりたいこともやれて、自分の中では良かったというか、悪くはなかったのかなと思う」。パリ五輪への出場権を獲得し、次は五輪メンバー入りを懸けたチーム内の競争も始まる。「今後につなげていけるように、WEリーグで活躍して、パリ五輪のメンバーに入れるように頑張りたい」。そう決意を新たにする北川にはもう一つ背負うものがある。

「今日勝てたことが被災地にいい影響を与えられていたらいいし、元気を与えられていたらと思う」。石川県金沢市出身の26歳は、今年元日に起きた能登半島地震の被災者のことを想い、「地元の石川県民としてもっと活躍したい」と言葉に力を込めた。

(取材・文 西山紘平)