【U-23女子代表】なでしこジャパンに一縷の光を灯す猶本の躍動。最終予選裏のラ・マンガ国際大会で輝く
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160308-00010003-sdigestw-socc
http://amd.c.yimg.jp/amd/20160308-00010003-sdigestw-000-1-view.jpghttp://amd.c.yimg.jp/amd/20160308-00010003-sdigestw-001-1-view.jpg
SOCCER DIGEST Web 3月8日(火)6時1分配信
取材・文:松原 渓(スポーツライター)
http://amd.c.yimg.jp/amd/20160308-00010003-sdigestw-000-1-view.jpg
http://amd.c.yimg.jp/amd/20160308-00010003-sdigestw-001-1-view.jpg
SOCCER DIGEST Web 3月8日(火)6時1分配信
リオ五輪最終予選メンバーからの落選から一転、スペインの地で持ち味を発揮する。
青々とした芝生に陽光が眩しく反射し、地中海からの強い海風が吹きつける。
大阪でリオ五輪出場を懸けた最終予選が行なわれているなか、リゾート地として知られるスペイン・ムルシア州のラ・マンガでは、例年通り「ラ・マンガ国際大会」という女子サッカーのユース年代の国際大会が開催された。
2月26日から3月2日に行なわれたこの大会で、U-23日本女子代表は輝きを放った。第1戦のノルウェー戦を4-0で制すと、続くスウェーデン戦は 2-0、最終戦のドイツ戦には1-0で勝ち、3連勝を収めた。すべての試合で日本は相手の倍以上のシュートを放つなど結果だけでなく内容も伴った勝利だっ た。
チームを率いたのは、U-20日本女子代表の指揮も執る高倉麻子監督。2年前のU-17女子ワールドカップで“でリトルなでしこ”を世界一に導いた智将 は、短期間でチームにある共通意識を植え付けた。それが、一人ひとりが判断スピードを上げ、ピッチを広く使ってテンポよくパスを繋ぐこと。そこにリズムの 変化と攻撃のギアチェンジを加え、相手を翻弄した。
このチームでキャプテンを務めたのは、猶本光だ。
猶本はリオ五輪最終予選の直前合宿に参加していたが、25日に発表された最終メンバー20人には入れず。しかし、直後にラ・マンガ国際大会への参加が決定し、悔しさは新たなモチベーションに変わった。
「海外の選手と対戦する感覚は、日本でプレーする時とはコンタクトの強さや足のリーチの長さ、スピード、裏に蹴って来るタイミングが違う。ラ・マンガに来て、国際経験を積めたことに感謝しています」
今大会、猶本はボランチで全試合に先発し、攻守で躍動した。視野の広いボール捌きでゲームを組み立て、ノルウェー戦ではFW顔負けの飛び出しから先制ゴールも決めた。なかでも3戦目のドイツとの対戦には特別な思いで臨んだという。
「今回、ドイツは20歳以下のチームで来ていると聞きました。ドイツには20歳以下のワールドカップで負けているので、絶対に負けたくないんです」
2012年に日本で行なわれたU-20女子ワールドカップ準決勝、スピード、パワー、ゲーム運び、すべてにおいて日本はドイツに圧倒され、0-3と文字通りの完敗を喫した。試合終了の笛が鳴ると、猶本はしばらく立ち上がれなかった。
「世界ってこういうものなんだ、と知りました。もっと上手くなりたいです」
試合後に泣きはらした目で語ったそのあどけない表情は、3年の時を経て凛々しいリーダーの顔に変わっていた。今大会では体格差のあるドイツに対し、コン タクトプレーを恐れずに身体を張り、無失点勝利に貢献。90分間声を張ってチームを鼓舞し、守備をサボる味方には容赦なく喝を入れた。
大阪でリオ五輪出場を懸けた最終予選が行なわれているなか、リゾート地として知られるスペイン・ムルシア州のラ・マンガでは、例年通り「ラ・マンガ国際大会」という女子サッカーのユース年代の国際大会が開催された。
2月26日から3月2日に行なわれたこの大会で、U-23日本女子代表は輝きを放った。第1戦のノルウェー戦を4-0で制すと、続くスウェーデン戦は 2-0、最終戦のドイツ戦には1-0で勝ち、3連勝を収めた。すべての試合で日本は相手の倍以上のシュートを放つなど結果だけでなく内容も伴った勝利だっ た。
チームを率いたのは、U-20日本女子代表の指揮も執る高倉麻子監督。2年前のU-17女子ワールドカップで“でリトルなでしこ”を世界一に導いた智将 は、短期間でチームにある共通意識を植え付けた。それが、一人ひとりが判断スピードを上げ、ピッチを広く使ってテンポよくパスを繋ぐこと。そこにリズムの 変化と攻撃のギアチェンジを加え、相手を翻弄した。
このチームでキャプテンを務めたのは、猶本光だ。
猶本はリオ五輪最終予選の直前合宿に参加していたが、25日に発表された最終メンバー20人には入れず。しかし、直後にラ・マンガ国際大会への参加が決定し、悔しさは新たなモチベーションに変わった。
「海外の選手と対戦する感覚は、日本でプレーする時とはコンタクトの強さや足のリーチの長さ、スピード、裏に蹴って来るタイミングが違う。ラ・マンガに来て、国際経験を積めたことに感謝しています」
今大会、猶本はボランチで全試合に先発し、攻守で躍動した。視野の広いボール捌きでゲームを組み立て、ノルウェー戦ではFW顔負けの飛び出しから先制ゴールも決めた。なかでも3戦目のドイツとの対戦には特別な思いで臨んだという。
「今回、ドイツは20歳以下のチームで来ていると聞きました。ドイツには20歳以下のワールドカップで負けているので、絶対に負けたくないんです」
2012年に日本で行なわれたU-20女子ワールドカップ準決勝、スピード、パワー、ゲーム運び、すべてにおいて日本はドイツに圧倒され、0-3と文字通りの完敗を喫した。試合終了の笛が鳴ると、猶本はしばらく立ち上がれなかった。
「世界ってこういうものなんだ、と知りました。もっと上手くなりたいです」
試合後に泣きはらした目で語ったそのあどけない表情は、3年の時を経て凛々しいリーダーの顔に変わっていた。今大会では体格差のあるドイツに対し、コン タクトプレーを恐れずに身体を張り、無失点勝利に貢献。90分間声を張ってチームを鼓舞し、守備をサボる味方には容赦なく喝を入れた。
SOCCER DIGEST Web 3月8日(火)6時1分配信
「女子サッカーを盛り上げていくのは自分たち」
「才色兼備のサッカー選手」はメディアが放っておかず、サッカー以外の話題で注目されることも多い。しかし、本人はいたって硬派だ。サッカーに対するプロフェッショナルな姿勢は高倉監督も高く評価する。
常に上を目指すブレない芯の強さがあるからこそ、なでしこジャパンで受けた刺激は自分を変えるきっかけになったという。初めて招集されたのは、2014年5月のアジアカップだった。
「なでしこジャパンの練習に参加して感じたのは、ピッチの真ん中に立つ選手は常に周りに要求しなければいけないということ。それができない理由は、自分がサッカーを分かっていないからだと感じました。それ以来、海外サッカーや動画を見て戦術的なことを学んでいます」
元々、前線への飛び出しやミドルシュートを武器とする攻撃的なボランチだが、最近は守備で身体を張る場面も増えている。
「なでしこジャパンの選手はポジショニングやタイミングが上手なので常々見ていましたが、(リオ五輪予選直前の)沖縄合宿で、球際の守備も最低限できなければいけないと感じました」
五輪予選はラ・マンガでの試合日と重なったため、しっかり映像を見られていないという。それでも第3戦の中国戦はホテルの部屋で、全員で応援した。予想もしなかった敗戦を彼女たちはどう感じたのだろうか。
「女子サッカーを盛り上げて来てくれた先輩方がいるなかで、オリンピックに行けないとなったら、世間的には応援されなくなるのではないかと……、その不安 はもちろんあります。けれど、また盛り上げていくのは自分たちだと思っています。先輩たちが築き上げてきてくれたものに上積みするためにも、まずは自分が なでしこジャパンに入らないと話にならない。もっと成長したいです」
大会中に、猶本は22歳の誕生日を迎えた。その貪欲な向上心が、彼女をどのように成長させていくのか楽しみだ。
五輪予選敗退が決まった日本女子サッカー界は、大きな損失を被った。しかし、そんななかで今大会のU-23、そして猶本の活躍は、なでしこの未来に希望を抱かせてくれるものであった。
取材・文:松原 渓(スポーツライター)
常に上を目指すブレない芯の強さがあるからこそ、なでしこジャパンで受けた刺激は自分を変えるきっかけになったという。初めて招集されたのは、2014年5月のアジアカップだった。
「なでしこジャパンの練習に参加して感じたのは、ピッチの真ん中に立つ選手は常に周りに要求しなければいけないということ。それができない理由は、自分がサッカーを分かっていないからだと感じました。それ以来、海外サッカーや動画を見て戦術的なことを学んでいます」
元々、前線への飛び出しやミドルシュートを武器とする攻撃的なボランチだが、最近は守備で身体を張る場面も増えている。
「なでしこジャパンの選手はポジショニングやタイミングが上手なので常々見ていましたが、(リオ五輪予選直前の)沖縄合宿で、球際の守備も最低限できなければいけないと感じました」
五輪予選はラ・マンガでの試合日と重なったため、しっかり映像を見られていないという。それでも第3戦の中国戦はホテルの部屋で、全員で応援した。予想もしなかった敗戦を彼女たちはどう感じたのだろうか。
「女子サッカーを盛り上げて来てくれた先輩方がいるなかで、オリンピックに行けないとなったら、世間的には応援されなくなるのではないかと……、その不安 はもちろんあります。けれど、また盛り上げていくのは自分たちだと思っています。先輩たちが築き上げてきてくれたものに上積みするためにも、まずは自分が なでしこジャパンに入らないと話にならない。もっと成長したいです」
大会中に、猶本は22歳の誕生日を迎えた。その貪欲な向上心が、彼女をどのように成長させていくのか楽しみだ。
五輪予選敗退が決まった日本女子サッカー界は、大きな損失を被った。しかし、そんななかで今大会のU-23、そして猶本の活躍は、なでしこの未来に希望を抱かせてくれるものであった。
取材・文:松原 渓(スポーツライター)
_____
ドイツ戦ハイライト
http://www.lamangatv.com/video/06-03-2016-u23-women-national-team-germany-vs-japan-highlights
_____http://www.lamangatv.com/video/06-03-2016-u23-women-national-team-germany-vs-japan-highlights
3/3 ノルウェー戦
http://www.lamangatv.com/video/02-03-2016-u23-women-national-team-norway-vs-japan-0-4-highlights
3/5 スウェーデン戦
http://www.lamangatv.com/video/04-03-2016-u23-women-national-team-japan-vs-sweden-highlights
ラ・マンガU-23女子国際大会 vs U-23ドイツ女子代表
2016年3月6日(日) キックオフ時間 18:00 試合時間 45分×2本
La Manga PitchA(スペイン/ラマンガ)
2016年3月6日(日) キックオフ時間 18:00 試合時間 45分×2本
La Manga PitchA(スペイン/ラマンガ)
U-23日本女子代表 1-0(前半1-0、後半0-0)U-23ドイツ女子代表
得点
3分 田中陽子(U-23日本女子代表)
3分 田中陽子(U-23日本女子代表)
スターティングメンバー
GK:林﨑萌維
DF:葛馬史奈、村松智子、高木ひかり、三宅史織
MF:佐々木繭、猶本光、中里優、千葉園子、田中陽子
FW:増矢理花
GK:林﨑萌維
DF:葛馬史奈、村松智子、高木ひかり、三宅史織
MF:佐々木繭、猶本光、中里優、千葉園子、田中陽子
FW:増矢理花
サブメンバー
GK:井上ねね
DF:大島瑞稀、吉見夏稀、畑中美友香、三浦桃
MF:三橋眞奈、高橋美夕紀、尾田緩奈、大矢歩
FW:井上綾香、田中萌
GK:井上ねね
DF:大島瑞稀、吉見夏稀、畑中美友香、三浦桃
MF:三橋眞奈、高橋美夕紀、尾田緩奈、大矢歩
FW:井上綾香、田中萌
交代
65分 田中陽子 → 大矢歩
80分 三宅史織 → 三橋眞奈
65分 田中陽子 → 大矢歩
80分 三宅史織 → 三橋眞奈
猶本光 選手(浦和レッズレディース)
こ の大会では全員がチームとしてまとまり、戦うことが出来ました。3連戦、無失点で全勝できたのは、その結果だと思います。戦術的には前線からのプレス、ラ インコントロールなど、守備からしっかり入れたことで、危ない場面も少なく、また得点に繋がりました。しかし、U-23の大会です。身体が大きく、パ ワー、スピードがある相手に対して、タイミングをずらすなど工夫すること、運動能力、パス、ドリブル、シュートなどの技術、戦術能力を全体的に向上してい くことが必要だと感じました。
こ の大会では全員がチームとしてまとまり、戦うことが出来ました。3連戦、無失点で全勝できたのは、その結果だと思います。戦術的には前線からのプレス、ラ インコントロールなど、守備からしっかり入れたことで、危ない場面も少なく、また得点に繋がりました。しかし、U-23の大会です。身体が大きく、パ ワー、スピードがある相手に対して、タイミングをずらすなど工夫すること、運動能力、パス、ドリブル、シュートなどの技術、戦術能力を全体的に向上してい くことが必要だと感じました。
0 件のコメント:
コメントを投稿