18歳の女子高生ビキニ選手は「勉強は学校で済ませ」放課後はトレーニング 「周りから『授業中、姿勢いいよね』って言われることも(笑)」
高校生という一面を持ちながら、ビキニフィットネスの競技者でもある小池星蓮(こいけ・せれん/18)選手。2024年は8月の『日本ジュニアボディビル選手権』でビキニフィットネス優勝、9月の『IFBB東アジアボディビル選手権』ビキニフィットネスジュニアの部優勝、一般164㎝超級2位と活躍中。そもそも小池選手が挑戦中のビキニフィットネスとは、ビキニを着用してステージに立ち、細くくびれたウエストや丸みのあるヒップ、しっかりと作られた脚、肌の艶・ハリの良さなど、トータルパッケージで評価される人気の女性競技である。そんなビキニフィットネスと高校生活を両立して大会で成績も残している小池選手は、いかにして学業と両立しているのか?
[初出:Woman'sSHAPE vol.28]
【写真】18歳・小池星蓮選手のビキニ大会写真
勉強は学校で済ませ
放課後はトレーニング三昧
――現役女子高校生、そして競技者としてどのように学業とトレーニングを両立しているのでしょうか。
小池 部活に入っていないので、トレーニングは高校生の子たちでいう部活のような位置付けになっていますね。平日であれば学校が終わって帰宅したら少しご飯を食べて、準備してからジムへ行きます。17時くらいから2〜3時間程度トレーニングをして、大会が近づいてきているので今はポージング練習をして帰宅。ご飯を食べて、学校の準備をして寝るというのがルーティンになっていますね。土日は時間に余裕があるので種目を増やしたり、いつもよりゆっくりトレーニングしたりしています。
――勉強のタイミングは?
小池 できるだけ学校にいる時間に頑張ります。家でやることもありますが、基本的には集中して授業を受けて、暗記するものはそのときに覚えてしまうんです。テスト週間で学校が早く終わる日は、トレーニングやご飯やお風呂も全部済ませて、寝るまでの間にテスト勉強をします。
――学校でできることは済ませておくと、放課後に自分の時間が取りやすいですね。
小池 夏の時期だと大会シーズンになるので、放課後に友達と遊びに行くことはほとんどないのですが……。冬の時期であれば何でも食べるので、遊びに行ったりおいしいものを食べに行ったり、女子高生を満喫しています! こういう競技をやっていることを友達も理解してくれているので、ありがたいです。
――トレーニングと学業、そして友人関係のバランスがうまく取れているように感じました。
小池 楽しむときは楽しむ、やるときはやる!と、オン・オフを完全に分けていますね。
――小池さんは高校1年生からトレーニングを始めたと伺っています。10代のうちから筋トレをして良かったと思うことを教えてください。
小池 始めた当初は身体を動かすのが楽しいからやっていただけですが、競技のためのトレーニングに変えてからは、身体機能が向上したように思います。健康への意識も高まりましたし、普段の生活でも姿勢がとても良くなって身長も伸びました! 特に立ち姿が変わりました。無意識でスッと立てるようになって、締まるとこは締まって身体のラインがきれいになっています。鏡を見たときに自分でもそう感じますし、周りからも「授業中、姿勢いいよね」って言われることも(笑)。身体の原理原則に沿ったトレーニングは、若いうちから必要ですね。
――若い、というと?
小池 中学、高校生の成長期にあたる子たちかな、と。私の周りでもスマートフォンの使い過ぎで猫背になっている子も多く見受けられます。姿勢が悪いと身体の内側の筋肉も発達しませんし、歳を重ねていくほど昔の習慣が抜けなくなると思うので、早い段階からしっかりと身体を整えていくことはすごく大事ですよね。
成長期のトレーニングは心身を整える必須科目
――小池さんも成長期にあたると思うのですが、そういう時期だからこそ気を付けていることは?
小池 今の私が取り組んでいるのは、ビキニフィットネス競技で勝つためのトレーニング。身体の機能を正しいものに整えて、筋肉をつける部位は重点的に筋トレを行います。まだ分からないことも多いので、信頼できるトレーナーさんなどに聞いて実践しています。気を付けてほしいのは運動部の子。無理な重量や回数、雑なフォームなどで、ただ動かすだけのウエイトトレーニングをしてしまうと、ケガにつながりかねません。特に成長期の身体でそれを行うと、現在だけでなく将来の身体にも危険が及ぶかもしれない。何のためにしているのか、目的に合った正しいトレーニングを行うことが大事ですね。
――骨も筋肉も成長しているからこそ、明確な目的が大事ですね。
小池 トレーニングと同等、もしくはそれ以上に大事だと考えているのがコンディショニングです。ケガの予防の最初はスタジオレッスンがメインだったが、競技を始めてから身体の原理原則に基づいてトレーニングをするようにラッドプルダウンでは重量を扱いつつも、丁寧に引いていく。テクニックよりもフォームを意識するためというのもありますが、トレーニングを実りのあるものにするためにもストレッチや呼吸エクササイズは必須だと考えます! そしてこれは、運動していない子たちもぜひ取り入れてほしいです。私も実体験としてありますが、10代って受験勉強とか友人関係とか、いろいろ悩むことも多いんですよね。心が乱れたときに、簡単なストレッチや呼吸法などのコンディショニングをやってみたら身体の内側から整えられるのですごく良いですよ。健康面でも心の面でも健やかになりますし、生活の効率もアップします。
――簡単なステップだと、小池さんと同世代の子たちでも始めやすそうです。そこからボディメイクや競技に興味を持つかもしれません。
小池 10代の女の子がいきなりビキニに挑戦するなど、勢いで始めてしまうのはすごく危険だと思っているので個人的には勧めていません。若い時に知識もないまま急激な減量をするのは危険を伴いますし、私もすごく慎重に減量しているので。一方で、ウーマンズレギンスなどヘルシーな健康美を求めるカテゴリーもあります。絞りもそこまで求められませんし、チャレンジしやすいはず。もし、私の周りで競技に興味がある子がいたら、ウーマンズレギンスからチャレンジすることを勧めます。競技をする・しないにかかわらず、10代のうちから心身を整えるためにトレーニングをしておいて損はありません。身体の内側も外側もきれいになっていくのは、何歳であろうとうれしいものですから!
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
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取材・文:小笠拡子 撮影:中島康介(大会写真)、岡 暁(制服写真)
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